娘の旅立ち

今年の1月下旬のことでした。「ちょっと話したいことがあるので電話できるとき教えてください。
急ぎではないので今日じゃなくても大丈夫です。よろしくm(_ _)m」と娘からラインが届きました。なんだろう?と思いつつ、「今日の夜なら大丈夫」と返信しました。すると、「19時半ごろでもいい」と返信がありました。特に深く考えず、すぐに終わるだろうと「了解」と絵文字を入れました。


絵文字を返した後に、少し気になってきました。しかし、平日は、仕事、夕飯と次々にやるべきことが待ってます。絵文字を入れたのが19:28とも気づかず、スマートフォンを置くと、すぐに電話が鳴りました。え?と思いましたが、時計を見ると19時半です。自分で返信した手前、電話を取らないわけにはいかず、すぐに終わるだろうと画面に手をふれました。


「もしもし、なぁに?」なにしろ、なんでもラインで済ませる時代に、電話で話したいというのです。なんだか心配になってきました。ハラハラドキドキ恋人を家に連れていきたいっていうのかしら。結婚したいって言うのかしら。最近の子は、その前に同棲かしら。電話のボタンをタップした一瞬の間に、脳裏に想像の物語が駆け抜けました。


「もしもし、あのー、会社をやめる」あら全く想像とはちがう方向へ話が展開したではありませんか。正確には一番予想されることなのに、起きて欲しくないと脳が強制排除したという流れが正しいでしょうか。前から、バイトしながら演劇をしたいとは言っていましたが、経験は中高の部活と大学のサークルだけです。新卒では、正社員として働いてくれましたが、やっぱ来るべき時が来たようです。